
―エコを意識するようになったきっかけは?
ずっと、そういう意識は全然なかったんですよ。で、世の中が環境の問題に向き始めた時期にわたしはたまたまアロマセラピーをやっていて、病院でお年寄りの足のアロマトリートメントをしたりしてたんです。それはいまでもやってることなんですが。で、その足のアロマトリートメントをやってると足裏から感じるその人の個性だったり、人のなかにある生き物の部分っていうのを本当に感じるんです。90歳以上の方がほとんどなんですけど、でもその足のアロマトリートメントを通じてエネルギーをすごくもらった気になるんです。アロマトリートメントをしているその時間だけは足をさわりながら自分自身、呼吸が落ち着いていたり、すごく地に足が付くような感覚になる。 そういうことがあってから、周りのものとどんなふうに関わっていくかということが自分の呼吸のリズムにつながっているっていうことをすごく意識するようになったんですよ。そうすると、アロマも元はどういうものだったんだろう?ってことに目が向き始めて、調べ始めてみるとすごく面白かったんです。 そのなかのひとつに、間伐材を使ったクラフトとかいろいろなアイデアを進めていくなかでアロマ作りを思い立って自分でそのための機械を手作りして、モミの木のアロマを作り始めたという方が北海道の下川町の森林組合にいらっしゃることを知ったんです。その方を取材に行ったのが、アロマと環境が結びついた直接のきっかけだったんです。というのは、たとえばそのアロマの壜をきっかけにして下川町の森を見たいという人が増えてきたそうで、つまりアロマというのはメッセージ・ボトルというか、そういうような役割を果たせるんだなあと思って。それで、アロマを通したエコとの関わり方について、自分にとってのヒントが見えてきたんですよね。
―おっしゃるように、環境問題というのは自分の周りの人やものとのつながり具合を意識するということなんですよね。
そうですね。環境というとどうしても大きな問題であり過ぎて手も足も出ないということになりがちじゃないですか。でも何かひとつ実際にやってみると、そこから意識が変わるんですよね。生活のなかのいろんな部分で何かが変わるんです。連鎖して。それがエコの一番のパワーだと、私は思っていて。たとえば「ap bank fes」には昨年も今年も出させていただいたんですけど、あのフェスではエコレゾンナンスということを言ってるじゃないですか。その連鎖して広がっていくということが何よりもエコのパワーだと思うんですよね。ひとりひとりの実感があって、それがインセンティブになってアクションにつながって、っていう。その連鎖っていうのはひとりの人間のなかでも革命みたいに広がっていくし、それがまた人から人へと広がって、結果すごい一体感を生み出すんですよね。それが日々の暮らしのなかにあるっていうことは、もしかしたらすごく前向きに考えていいことなのかなって思うんです。

―今日もマイバッグを持って来たということですが、“今日は帰りに買い物だから”とマイバッグを用意してでかけるといったことは面倒ではないですか?
いいんですよ。忘れちゃったときは。忘れちゃったってことで。ルールにしちゃうときつくなっちゃうから。たとえば甘いものを食べ過ぎちゃったとか脂っこいものを食べ過ぎたとかいう場合って、じつは気持ちのなかがあまり穏やかじゃないときが多いんですよね。逆に、“今日は旬だからちょっと椎茸を使おうかな”とか季節のものを考えたり、“最近野菜を摂れてないから多めに摂ろうかな”とか、そういうちょっとした意識があるだけで冷静な選択ができるというか。で、そうなると、仕事の相手でも家族でも応対が自然とていねいになっていくでしょ。それが不思議なんですけど。だから、エコを意識することで周りの人に対してていねいになれますねっていうことなわけで。で、エコのことと日常ってやっぱりしっかりつながってるなあって思うんですけど、たとえば、今日は旦那さんが早く帰ってくるから一緒に食べたいなと思ったら、“よし、今日はスーパーにちょっと寄ろう”って思うからマイバッグを持つわけですよね。 それから、このバッグにはジムで使うものが入ってるんですけど、“今日はジムに行くから、あれとこれを持って”って、出かける前にいろいろと考えるわけですよ。そういうことのひとつひとつが、忙しいときには忘れてるような自分のゆとりの部分に思いを向けられるきっかけなんだなあって思うんです。日記をつけてるとその日1日を振り返るじゃないですか。それだけで1日の余韻って変わってくると思うんですけど、それの逆というか、1日の予定を思い浮かべながら楽しみにして、それが結果潤いになるっていうのがエコなんですよね。昨日も京都に行って感じたんですけど、潤いのある人が住んでいる街は本当に艶っぽいなあって思うんです。LOHASっていうのは艶っぽいっていうことなのかなあとか思うんですけど。
―暮らしを艶っぽくする方向に気持ちを向けていくきっかけになるのがエコということですか?
そうだと思うんです。やってみて気がついたことなんですけど。マイバッグだって今はいろんな種類があるし、私は友だちが手づくりしてくれたのも持ってるし。そういうふうにエコ・コンシャスであるだけでなく、最近ではファッションにも意識を向けているグッズが増えてきてて。だから、みんなのニーズと供給がうまく合ってきてる感じがするんですよね。しかも、レジに並んだときに“袋はいりません”って言うと、ちょっといいことした感じも付いてくるっていう(笑)。それから、わたしが今使っている財布はチチカカ湖のほとりに住んでいるある民族の女性たちがヤギの皮を使って作ったものなんですけど、それはそういう商品を買うことでその民族の暮らし全体をサポートするっていうフェアトレード・グッズなんですね。でも、そうした意味合いとは別にチチカカ湖のほとり女の人たちが作ってるようすが目に浮かぶような手触りがあるし、人工の材料で作ったものと違って長く使えば使うほど味が出てきますしね。いままでだったらすぐ新しいものがほしくなったりしてたのが、もの自体にそういうストーリーがあるだけですごく愛着がわいてくるんですよ。 だから、“見える”ということが大事なのかなあって思うんです。私自身、最初テレビの世界にいたときに、見てくださっている方たちとつながる感じというのがわからなくて、だからじかにつながる感じを夢見ていたんですけど、わたしの場合はアロマによって気づかされたんですよね。ただ、どんなものでも人でも、そのつながる感じというのは自分からつかみに行くって生き方をするだけで、全然広がり方が変わっちゃうでしょ。エコも積極的に自分から関わるということが大事じゃないですか。だから、エコって言っても環境のことだけ言ってるようで、じつは人間関係のことについても言い当てて、だからこの時代になるべくしてエコが話題になってるんだなあって思います。
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