【奨励賞】『「島のこしが島おこし」開発に頼らない持続可能な観光をめざして』
(NPO法人島の風・・・沖縄県)
沖縄県伊是名島(いぜなじま)は、本島の北部、約40qの海上にあり、人口約1700人、周囲17qの農漁業が中心の小さな島です。琉球松の群生が覆う風光明媚な島には、数々の神話が残り、神々との結びつきを今も伝える文化が残る神の島と言われています。近年の沖縄観光ブームの中でも、那覇からのアクセスの悪さなどもあり、訪れる観光客が少なく、沖縄の原風景と景観、伝統的コミュニティ文化や昔ながらの生活風景を色濃く残している島です。NPO法人島の風は、開発に頼らない次世代に継げる持続可能な島づくりを目指しています。
「島のこしが島おこし」

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上左:「がーぺーちん」再生前 上右:「がーぺーちん」再生後
下左:「あんじょーや」再生前 下右:「あんじょーや」再生後 |
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1・古民家再生事業:長い間無人のまま放置され、雨漏りや白アリ被害が大きかった古民家を「外観は昔の風景を残し、内部は快適に過ごしやすく」再生した。コンクリート作りだった外観は、杉板張りの外観に戻し、内部は広いワンルーム板張りに代えた。伊是名集落に「がーぺーちん」、勢理客(せりきゃく)集落には「あんじょーや」の2棟が完成した。特に「あんじょーや」は地元の人々や職人養成カレッジの参加者(後述)と共に取り組み、併設する倉庫として使用されていた「共同浴場跡」の再生や「勢理客文庫」という図書館も作りあげることができた。
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2・島暮らし体験の宿: 「がーぺーちん」「あんじょーや」は、一棟貸しの滞在型宿泊施設として運用開始。今まで宿泊施設のなかった勢理客集落の中を家族づれやグループの方々が散策し、地元の人々と交流する風景を目指している。
※「がーぺーちん」「あんじょーや」とは昔から代々呼ばれてきた屋号
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3・古民家再生職人養成カレッジ事業:古民家の再生過程を住民が経験することで、職能訓練をしていこうと実施。
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4・ コミュニティ・ビジネス:変わり行く島の景観を守り残すと共に、自らの地域を元気にするために住民が主体的に取り組む仕掛けにした。特定の人や企業が利潤を追求するビジネスではなく、地域全体がコミュニティの維持、再生と共に少しずつ豊になっていくしくみである。古民家の宿泊施設運営には、小さいが多くの仕事が発生する。例えば、メンテナンス、草取り、リネンサービスや清掃、地元料理の提供や文化や歴史の紹介など。
のどかな田園風景やすばらしい珊瑚の石垣を眺めながら、共同売店で観光客が買い物をする。小さいながら新しい勢理客の物語がスタートしている。
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豪華ではないけれど、贅沢ではないけれど温かい島民の息づかいが伝わる島。この島を訪れた人が、現代社会の中でどこかに置き忘れてきた大切なものを見つけられるような、そんな島づくりをめざしているそうです。一度訪れてみたい小さな島です。
「市民が創る環境のまち“元気大賞”」は、地域づくりが発展することを目的に、市民の立場で応援する仕組みです。したがって、表彰するだけでなく、翌年には、その地域を訪問し、「市民相互交流学び合いサミット」を開催しています。
今年は、元気大賞電通賞の「銀座ミツバチプロジェクト」と農業をテーマに、7月17日〜18日に開催すべく現在企画中です。

【執筆者プロフィール】
鬼沢良子
「NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネット」(元気ネット)事務局長
元気ネットは、循環型社会をつくるために、市民、企業、自治体、研究者などのゆるやかな連携を目的に、1996年に任意団体「元気なごみ仲間の会」として発足。2003年NPO法人取得とともに、現在の名称で活動。2001年「市民が創る環境のまち“元気大賞”」を創設。入賞団体の活動を体験するエコツアーを実施し、「市民相互交流学び合い」によるつなぎ手(ファシリテーター・コーディネーター)の育成に努めています。各地で実施のエコツアーでは、全国各地のまちづくりキーマンと出会えます。 |
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